■日時:2018年9月16日 カテゴリ:太陽光発電
 
今回から中国太陽光発電の最新動向について二部に分けて説明して行きたいと思います。まず一部は全体の累積・新規発電設備容量とその太陽光発電設備の内容、中国製太陽光パネルの発電性能について説明し、第二部では中国太陽光発電市場の発展の要因と今後の動向について考察していきたいと思います。
 
まず2017年の中国太陽光発電の累積発電設備容量は131.14GWに到達しています。この数値を見て、あれ?と思われた方もいるかもしれません。そうです、中国は既に第13次五カ年計画で掲げていた2020年までに太陽光発電の累積発電設備容量を105GWと定めていたのが、なんと3年前倒しで目標を達成しています。因みに中国の太陽光発電と風量発電が近年大きく成長していることはこれまでのブログでもレポートしていますので、中国再生可能エネルギー概要はこちらをご参考ください。
 
 
下の図の内訳をみると、土地据置型の太陽光発電、所謂メガソーラー発電による2017年新規設備導入量が33.62GW、分散型発電による導入が19.44GWとなっています。日本の2016年11月時点での累積太陽光発電設備容量が36.52GWですから、中国は2017年の1年分の新規増設だけで日本の全太陽光発電設備容量を越しています。
 
一方で、オフグリッド(自家発電自己消費)の太陽光発電設備の導入量は圧倒的に少ない結果となっています。この理由については次回第2部で考察していきたいと思います。
 
データ出所:国家発展改革委員会再生可能エネルギー部公表データ
 
分散型太陽光発電とは何か、というと簡単に言えば電力消費地の直ぐそばに小〜中型の太陽光発電設備を設置し、送電線を経由せず直接消費地に発電した電力を供給するモデルのことを言います。そうすることで従来の中央の大規模発電基地から長距離送電により遠い電力需要地に電力を送電する必要がなくなり、送電ロスが無くなる上に需給バランスの最適化にも繋がります。(中国の棄光・棄風問題についてはこちら
 
図:中国商業施設における分散型太陽光発電
データ出所:国家発展改革委員会再生可能エネルギー部公開資料より
 
図:中国一般住宅(団地)における分散型太陽光発電
データ出所:国家発展改革委員会再生可能エネルギー部公開資料より
 
図:中国の農業地域における分散型太陽光発電
データ出所:国家発展改革委員会再生可能エネルギー部公開資料より
 
土地据付型の太陽光発電と言えば、メガソーラー基地のことですが、中国は隆起のない広大な土地と西の砂漠地帯には豊かな太陽光資源があります。下の図の青海自治区の写真がその中国メガソーラーの例ですが、中国で田舎の高速鉄道を乗ると行けども行けども太陽光パネルが並んでいるこのような光景はよく見かけます。
 
図:中国青海自治区のメガソーラー基地(850MW)
データ出所:国家発展改革委員会再生可能エネルギー部公開資料より
 
続いて中国の太陽光パネル(モジュール)とシステムのコスト動向について言うと、下の国家発展改革委員会が公表しているデータによれば過去11年で90%以上のコスト低減が実現しています。因みに弊社では中国太陽光発電パネルの輸出事業も一部行っていますが、単結晶シリコン型パネル(350W、変換効率18%)一枚の単価は約2万円、kW単価は約60円ほどです。
 
中国メーカーがなぜここまで安く作れるのかについては理由は大きく三つあると言われています。一つ目はスケールメリット、各発電プロジェクトの規模が大きいため量産スケールでの製造原価が圧縮されます。二つ目は原材料のほぼ全てを自国調達可能であることで、中国には良質な単結晶・多結晶シリコンの原材料となるシリコンが大量に取れます。三つ目は人件費の安さで、年々上昇している中国のワーカー賃金ですが日本などの先進国に比べればまだまだ安いと言えます(2017年の中国製造業労働者の平均年間賃金は64452元(約105万円)。
 
データ出所:国家発展改革委員会再生可能エネルギー部公開資料より
 
最後に、太陽光パネルの発電性能についても少し説明したいと思います。
下の表は中国の最新の太陽光モジュールのタイプと発電変換効率を並べたものですが、開発段階のものでは単結晶シリコンで最高25%の変換効率が実現しています。また次世代の太陽光モジュールと言われるG a A sタイプのモジュールも開発されています。
市場に販売している太陽光パネルでも、世界最王手のトリナソーラー、ジンコソーラー、インリーソーラーなどの中国トップランナーは変換効率20%を超える単結晶シリコンのパネルを販売しています。
 
データ出所:国家発展改革委員会再生可能エネルギー部公開資料より
 
次回は、中国の太陽光発電がここまで急速に発展してきた要因について考察していきます。
 
筆)INTEGRAL Co., Ltd 2018年9月16日