■日時:2018年11月20日 カテゴリ:風力発電
 
【中国洋上風力発電の最新動向(2018年9月30日時点)】
 
先日、最新の中国洋上風力発電の発電プロジェクト開発状況の統計が中国農機工業協会風力発電設備協会から発表されました。2018年9月30日時点で、中国の洋上風力プロジェクトは計23つあり、トータルの設備容量は6479.2MWです。うち累積発電設備容量は4370MW新規導入設備容量は1600MWとなっています。これまでの動向については弊社は中国洋上風力市場の調査プロジェクトを今年実施しており、「中国の洋上風力発電の最新動向:2018年」で執筆しております。
 
中国政府は2020年までに導入済みの発電設備容量で5000MWを目標に掲げていますが、目標の達成はほぼ確実、年内にも前倒しで達成される可能性が出てきました。
 
図:中国農機工業協会風力発電設備協会の公表データより弊社作成
また、省別で見ると洋上風力発電の建設が最も多いのは江蘇省、福建省、広東省となっています。この三省では洋上風力発電の開発を後押しする政策的動きが特に見られ、例えば広東省では洋上風力に関連する製造業者や開発企業に掛かる企業所得税を一〜三年免除、四〜六年半額(三免三半)にし、機械設備の新規購入に対する増値税の減免などの税制優遇を実施しています。また、洋上風力発電ビッグデータセンターの設立、洋上風力発電の特別基金の設立など地方政府自らが出資者となって洋上風力産業の後押しを行なっています。この他、中国政府は洋上風力発電に対し0.75元-0.85元/kwのFIT(固定電力価格買取制度)を授けています。陸上風力のFITは0.4-0.57元/kw、太陽光は0.65-0.8元/kw、石炭火力価格は0.26-0.45元/kwですので洋上風力発電のFITは比較的高めに設定されていると言えるでしょう。このような地方政府による政策的な後押しも中国風力発電の発展を促進する重要なドライバーになっています。
 
図:中国農機工業協会風力発電設備協会の公表データより弊社作成
 
また、2018年の洋上風力発電の主要タービンメーカーのシェア構成にも変化がみられます。2017年これまでは上海電気が市場シェアの約半数を持ち、続いて遠景能源(Envision)、金風(Goldwind)が追従していましたが2018年9月30日時点では上海電気のシェアは少し落ち、明陽智能(Mingyang)、金風、中国海装が大きくシェアを伸ばしています。特に明陽の躍進はめざましく、2018年に世界最大の抗台風型風力タービンのモデルMySE5.5-155(5.5MW)の吊り上げが完了して以来多くのプロジェクトで採用され始めています。2017年までの主要プレーヤーについては別の記事で紹介していますのでそちらもご参照ください。
 
図:中国農機工業協会風力発電設備協会の公表データより弊社まとめ 年間推移のデータは中国風力発電設備容量統計2012-2017年より弊社作成
 
最後に中国で問題になっている送電能力不足、蓄電能力不足からもたらされている風力発電のチャンスロスである棄風問題(棄風、棄光問題についてはこちらの記事でまとめています)ですが、2018年前半の中国全体の平均棄風率は2017年の12%から8.7%にまで低下しています。2016年の13次五カ年計画に中央政府が2020年までに全国棄風率平均値を5%まで下げる目標を設定して以来、順調に低下しています。
 
図:弊社まとめ
 
筆)INTEGRAL Co., Ltd 2018年11月21日