【2017年中国の洋上風力発電は世界第3位!】
2017年世界の洋上風力発電の累積発電設備導入容量は18814MW(メガワット)、新規導入容量では4334MWに達しており、年平均成長率では30%を超えるなど目覚ましい勢いで成長しております。海上の沖合には莫大な風力資源があることから、洋上風力は次世代の主力エネルギー源として期待されており、特に欧州ではイギリスとドイツを筆頭に大きな盛り上がりを見せています。

一方で中国の2017年洋上風力発電の累積発電設備導入容量は 2788MW 、新規導入設備容量では1164MWであり、累積と新規共に導入容量では世界第3位となっています。中国の陸上風力を含めた風力発電の総発電設備容量は188GWなので、洋上風力の設備容量はその内の僅か1.5%になりますが、これは中国の洋上風力発電の歴史は陸上風力に比べて浅いことと、政府による洋上風力発電の開発を支援する政策的な取り組みが遅れていたことが考えられます。グラフを見ると、2013年以前は比較的穏やかに成長していましたが、2014年にFIT(Feed In Tariff: 固定電力買取価格制度)が導入されたこと、民間による洋上風力事業のコスト低減の取り組みがある程度進んできていることから近年は70%を超える勢いで成長しています。
中国は第13次五カ年計画において2020年までに洋上風力発電設備の導入目標を5000MWに設定していますが、この目標は達成されることが見込まれています。

世界の洋上風力発電設備導入容量の推移を見ると、イギリス、ドイツ、中国の成長が特に際立っており、2017年ではこの上位3ヶ国の新規導入設備容量は世界シェアの95%を占めています。これは洋上風力発電は、その海上という特殊な環境要因から風力タービン(コア部材、基礎)のコスト、海上での建設・運送コストは、並びにオペレーション時のシステムコストやメンテナンスコストも陸上風力に比べて高く、新規参入の障壁となっていることが考えられます。イギリス、ドイツ、中国では洋上風力発電の開発を促進するための政策的な取り組み、民間によるコスト低減の取り組みが整備されつつあり、その2つの動きが主要な成長ドライバーになっていると言われています。
