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■日時:2019年4月30日 カテゴリ:水素燃料電池                   
 
【中国 2019 年1~ 3 月の FCV 販売台数は 273 台、課題は水素ステーションの普及にあるか】
 
 
出典:CAAM公表データより
 
412日に中汽協(CAAM)が発表した201913月の新エネ車の販売台数統計によれば、新エネ車は13月累積で30.4万台(前年同期比102.7%増)で内訳をみると純電動乗用車が20.7万台(前年同期比118.2%増)、プラグインハイブリッド乗用車が7.6万台(前年同期比84.7%増)で残りが新エネ商用車2万台になります。新エネ車全体の2018年末累積販売台数は125.6万台ですので、2019年3月までの累積販売台数は156万台となります。
 
気になる燃料電池車の生産台数と販売台数は13月累積でそれぞれ278台、273台(*1)となりました。軟調なペースで推移をしているように見えますが、昨年も同時期累積では生産台数で38台、販売台数で2台でしたので、年始は穏やかに増加し年末に急に増加する傾向はこれまでと一致しています。またEVでも昨年まではそのような傾向が見られていました。一説には補助金減額などの政府改定が発表されると、年末に自動車メーカーが駆け込み的に生産を受注するため、ということがあるようです。
 
EVは販売補助金がほぼ撤廃されつつあり、それにも関わらず年初からの乗用車販売台数の成長は著しく、これは補助金誘導型の成長からマーケット主導の成長へと新しいフェーズに入りつつあることを示唆していると考えられます。一方で水素燃料電池車産業はほぼ全てのバリューチェーンで技術、コスト、インフラ整備が未成熟であり、今後も市場は暫くは補助金などの政策誘導型の成長となると考えられます。
 
燃料電池車の普及には水素ステーションの普及が不可欠であり、現在中国では運行中のもので32箇所(調整中のものも含む)、計画中のもので57箇所(*2)あります。中国の都市の大きさや、今後ハイウェイなど都市間での応用への普及を考えると、水素ステーションの数は圧倒的に不足しているのが現状です。
 
これは水素ステーション建設において、建設における国内の明確な基準がまだないこと、水素が危険物としての扱いになるため煩雑な審査プロセスを要すること、都市によっては政府側で担当部署が明確になっていないこと、などの理由により承認までに非常に時間が掛かることがボトルネックになっていると言われています。
 
また、ステーションの設備コスト、水素の供給コスト(卸価格)が共に高く、ステーションの運営はどこも赤字を出し続けているのが現状で、これも新規投資の妨げになっています。現在より安価な水素供給源の探索やステーション設備の国産化などにより低コスト化の取り組みが進んでおりますが、筆者の感覚では、今年初頭からようやく具体的な案件が動き始めているな、という印象を持っています。弊社では最近、その様な各バリューチェーンにおける具体的な産業動向や投資的視点から見た環境分析も弊社ウェブサイト上のデータベースにアップデートしましたので、そちらもご検討いただけると幸いです!
 
2019年4月30日 INTEGRAL Co., Ltd
 
 
*1 本記事の参考付録として、現在中国各地で運行している公共バスの路線情報と*2 各主要都市の燃料電池発展計画(水素ステーション導入数、燃料電池車普及台数目標)の概要一覧表を掲載致します。
 
 
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