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 カテゴリ:水素燃料電池、新エネ車 日時:2019年8月8日
 
前回のブログは、こちらをご参照ください。→ パート1. NEXOと韓国の水素ステーションの現状
 
パート2. 韓国のサンアム水素ステーション訪問記 
 
1. はじめに
前回のブログに引き続き、今回も韓国の水素産業にスポットを当てて述べていきます。今回は、弊社韓国人スタッフの韓国ソウルのサンアム水素ステーション現地取材レポートをご紹介させて頂きます。 
 
 
2. サンアム水素ステーションの概要
 
図1(左):水素製造装置、水素貯蔵タンク、水素コンプレッサーがある建物の外観
図2(右):昇圧工事に関する案内
 
図1のビルの外壁にHi Seoulと記されていますが、実際に、この水素ステーションは、ソウル市が2011年に建設したものであります。新しく建設されている水素ステーションと比べますと外観は古く見え、訪問時(2019年7月)には、出力を上げる改修工事を行っていました。計画によると、今年の末に、この改修工事は完了するようです。また、水素の生産方式はバイオガス改質型になります。今回の改善で、充填圧力が350Bar(300km走行可能)から700Bar(600km走行可能、ネクソを完全充填した場合609km走行可能)に上昇する予定であり、本工事の経費は約3億円(国費1.5億円、私費1.5億円)であると表記されていました。
 
 
3. サンアム水素ステーションの外観
  
図3、4、5:サンアム水素ステーションの外観

この水素ステーションが2011年に建設されたことを考えると、外観は、当時としては、未来的なデザインで設計されているように見えます。特に従来のガソリンスタンドでよく見られるオイルの汚れ、匂いがないことのが、非常に好印象で、給油施設というよりは研究施設に近い雰囲気を感じました。実際に、この水素ステーションの隣にはソウル市立美術館と大きな公園が隣接しており、環境への配慮を伺わせられるようでした。
 
 
 
4. Air Products & Chemicals社製ディスペンサー
 
図6(左)、7(右):Airproducts社のディスペンサー

図6のマニュアルスクリーンには、近くで見るとハッキリと文字が表示されており、図7の装置のロゴからも確認できるように、ディスペンサーはAirproducts製でした。現在は、充填量が350Bar(ネクソを約50%充填する)と低い為、充填料無料で運営されています。その為か、現金などの支払い口は確認できませんでした。この度の改善工事が完了次第、充填料が700Barになることから、料金も有料となると、居合わせた係りの者が教えてくれました。ちなみに、韓国内のその他の水素ステーションでは1㎏あたり約800円程度で充填できます。ネクソの完全充填容量が5㎏なので、ネクソをフル充填するのに、約4,000円かかる計算になります。
 
 
5. WEH社製ノズル(右側:銀色ノズル)
 
図8(左)、9(右):WEH社のノズル
 
まずは、図8の中央(緑色の説明書き)に本ステーションにおける補給内容の詳細が分かります。韓国の大部分の水素ステーションと同様に、5,000psi(35MPa)で補給が行われています。図9ではWEHの銀色のノズルが見えますが、クモの巣などが確認出来ましたので、使用頻度は高くないのかもしれません。
 
 
6. WEH社製ノズル(左側:黒色ノズル)
 
図10、11:WEH社のノズル
 
今回は、特別に、直接ノズルを触ることが出来した。右側のノズルと同様にWEH社製のノズルでした。 実際に手にし、重量は普通のガソリンスタンドで使用するノズルよりちょっと重い程度であると感じました。一方で、長さにおいては、ガソリンスタンドのものよりも極端に短く、吐出口の部分が、しっかりと接続できるように、ノズル内側にストッパーのようなものがある仕様となっていました。実際に重点をする際は、しっかりと教育・トレーニングを受けた専門の係員によって充填が行われますので、周囲には、充填に関するガイダンスなどは見当たりませんでした。
 
 
7. ディスペンサーと水素ステーションの背面
  
図12(左)、13(中)14(右):ディスペンサーと水素ステーションの背面

左側の写真から分かるように、ディスペンサー装置の背部には、本装置の製品情報が記載されており、「Manufactured by Genesys Controls Corporation for Air Products」記されており、GenesysがAirproductsに製品を納品しているというこの2社の関係性を確認することができます。また、デイスペンサーには、緊急停止レバーもありました(図13)。最後は、少し離れた休憩ベンチからの写真を一枚(図14)納めて、ステーションをあとにしました。
 

以上が、ソウルのサンアムステーションの訪問レポートになります。この度は、ソウル訪問の機会に恵まれ、前回と合わせ2回に渡り、韓国での水素・FCV産業の実態をレポートさせて頂きました。今後も、定期的に韓国の情報をお届けできればと考えております。
 
 
本ブログの記事と加えて、以下のレポートと資料をご参考してください。
中国の水素燃料電池車市場及び水素ステーションの開発動向の詳細に関しては、「2019年中国の水素燃料電池の動向」「2019年中国の水素サプライチェーンの動向」をご参照ください。
 
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