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 ■ 日付: 2023年7月27日
*こちらの記事は、2023年7月5日の弊社英文ブログ Enter the Chinese EMS Market as an ESCO with technical advantages 翻訳したものになります。
【ESCO事業者として中国EMS市場に参入する上での技術的優位性
この記事の筆者
 
まとめ
1. カーボンニュートラルや省エネルギー関連の政策、コスト削減ニーズ、社会的推進要因が、中国におけるEMS導入を後押ししている。中国のEMS市場は、2022年の総市場規模が約95.7億ドル、2020年から2025年までの年平均成長率が19.5%と、かなり期待できる。
 
2. 海外のEMSサプライヤーは、プログラマブル・ロジック・コントローラ (PLC) や可変周波数ドライブ (VFD) のようなコンポーネントにおいて、中国のサプライヤーに比べ、一部のパラメーターで明白の技術的優位性を示すことで、中国のEMS市場に参入することができる。
 
3. 統合ソリューション提供能力を持つ海外のEMSサプライヤーは、EMSに適したビジネスモデルである、ESCO (Energy-saving Service Company)形態をとることで、中国市場に上手く参入することができる可能性がある。
 
キーワード: #エネルギー・マネジメント・システム (EMS)  #プログラマブル・ロジック・コントローラ (PLC)  #可変周波数ドライブ (VFD) #ESCO (省エネサービス) 事業
 
このブログの内容に関心のある方は、こちらのレポートもご参照ください。:中国のVPP/EMS市場】にて詳細を記載しています。
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中国における2030年までのカーボンピークアウト、2060年までのカーボンニュートラルの実現に向け、2021年末に中国国務院は、第14次5カ年計画期間における「省エネルギー・排出削減に関する総合取り組み計画」を発表し、「2025年までにGDPあたりのエネルギー消費量を2020年比で13.5%削減する」とう目標を掲げている。この目標達成を目指し、中国政府はエネルギーマネジメントを推奨し、エネルギー効率を高める一連の政策と規制を発表した。また、省エネ型工場、スマートビルディング、省エネ型コミュニティなどのEMSパイロット事業を推進している。
 
エネルギー・マネジメント・システム (EMS) 導入においては、政策的推進要因に加え、経済的・社会的推進要因も存在する。様々な産業の全体的な発展と技術的進歩に伴い、エネルギーマネジメントの重要性が増しており、多くの企業はエネルギーマネジメントを通じてコストを削減し、効率を高めたいと考えている。一方で、欧米企業が重視するスコープ3排出量への対応は、彼らのバリューチェーンにおけるサプライヤー、顧客、その他の関係者と連携する必要があるため、様々な企業が、中国における脱炭素化と省エネに関心を寄せ始めている。例えば、2023年4月現在、Appleの中国企業サプライヤー68社が、2030年末までに温室効果ガス排出量削減に取り組み、包括的な脱炭素アプローチを導入し、クリーンエネルギーのみでApple製品を生産することを約束している。このように、グローバル企業を中心に、海外の取引先のスコープ3排出量を最小限に抑えるためなど、サプライチェーンの最適化や製品設計の改善などの戦略を実施することが考えられ、こうしたすべての要因が、中国EMS市場の急成長に寄与している。
 
概要
中国のEMS市場は世界的に見ても急速な発展を遂げており、海外プレイヤーにさらに多くの投資機会と参入機会を提供している。Fortune Business Insights™およびMotor Intelligenceによると、2022年の世界EMS市場規模は282.5億ドルで、2030年には年平均成長率12.6%で823.4億ドルに成長すると予測されている。中国のEMS市場規模は2020年から2025年にかけて年平均成長率約19.5%で成長すると予想され、2014年から2019年の成長率 (17.6%) よりも高い成長率を示す可能性がある。INTEGRAL社の見積もりによると、2022年の中国EMS市場規模は約643.3億人民元 (95.7億ドル) となる。
 
中国のEMS市場では、海外プレイヤーは、特にFEMSとBEMSの分野において、多くの潜在的な機会を有している。FEMSはEMS市場全体の54.88% (353億715万人民元) を占め、次いでBEMSが、39.48% (254億185万人民元) 、残りの5.64% (36億2209万人民元) をHEMSが占める
 
図1. EMSの市場規模
注:EMSは、工場エネルギー・マネジメント・システム(FEMS)、ビル・エネルギー・マネジメント・システム(BEMS)、ホーム・エネルギー・マネジメント・システム(HEMS)の3つに分類される。
 
技術的優位性
複雑な産業オートメーションと制御要件を満たすために、中国企業は、特定のパラメーターにおいて、明確な利点を持つ海外のハードウェア製品を必要としており、その技術的優位性を持つ海外EMSサプライヤーは、将来有望な中国EMS市場への参入を図ることができる。
 
海外サプライヤーは、PLCRTUDCSVFD (オートメーション、制御、モニタリング用) などの一部のハードウェアにおいて、より早い段階で事業を開始し、数多くの実績を積み重ねてきているため、こうした機器や特定技術に関する産業チェーンの完成度という点で、中国サプライヤーよりも、一歩先に進んでいる。近年、中国企業は小型PLCやRTUの分野で急成長しているものの、大型PLC高電圧VFDにおいては、未だ技術的障壁が高く、依然として海外サプライヤーの製品供給に依存している。
 
注:PLC...プログラマブル・ロジック・コントローラ、RTU....リモート・ターミナル・ユニット、DCS...分散型制御システム、VFD...可変周波数ドライブ
 
PLC、DCS、RTU、VFDなどのコントローラーとインバーターは、オートメーション、モニタリング、負荷最適化、プロセス制御、故障検出および診断を通じて、省エネ性能を発揮する上で極めて重要な役割を担う。正確な制御、リアルタイムのデータインサイト、スマートな意思決定、これらの機能は、効率的なエネルギー利用、エネルギーのムダ削減、省エネ効果の向上につながる。
 
 
図2. EMSバリューチェーン
 
バリューチェーンを分析してみると、コントローラーとインバーターは、上図のデータ計測層に位置し、端末側のエネルギーデータを収集するメーターとセンサーに接続している。そして、サーバーとDPU (データ転送層) を介して送信される、EMSのモニタリング・制御ソフトウェア (アプリケーション層) の指示に従い、制御とオートメーションの機能を果たす。
 
PLC、DCS、RTU、VFDのうち、より優れた省エネ能力、その他の技術的障壁、先行優位性などを考慮すると、海外プレイヤーはPLCとVFDの分野でより多くのビジネスチャンスがあると言えよう。
 
では、PLCとは何か、なぜEMS業界の省エネに重要なのか。PLCにおける海外プレイヤーの優位性とは?
プログラマブル・ロジック・コントローラ (PLC) は、プログラミングによって機器の制御やモニタリングを実現する。クイックレスポンス、容易なプログラミング、高信頼性、高度モジュール化といった利点を持つ。通常、組立ライン、包装、移送、ビルディングオートメーション、空調制御 (HVAC) システムなど、FEMSおよびBEMSのオートメーションシーンで活用される。
 
PLCは、実際のニーズに応じて機器の稼働状態を自動的に調整し、エネルギー消費におけるムダを減らすことで、エネルギー利用効率を高めることができる。エネルギー消費をリアルタイムで把握することで、エネルギーのムダの発生位置と発生期間を特定でき、自動的に省エネ制御戦略を実行できる。例えば、機器の動作速度を下げたり、需要の少ない時期に省エネモードをオンにしたりすることができる。
 
PLCはまた、様々な負荷の動きを自動的に管理し、ピークカットとバレーフィリングを実行すること、例えば、必要のない機器の電源を切ったり、特定のプロセスへの電力を削減したり、負荷平準化を実施したりすることで、デマンドレスポンスを実施する上での重要な役割を担う。(デマンドレスポンスについては、こちらの記事【中国電力業界におけるデマンドレスポンスの活用状況とビジネスシナリオ】をご参照ください。)
 
海外サプライヤーが、中国市場でPLCを販売するビジネスチャンスはまだ大いにあるといえる。中国企業は、中小型PLCの分野では大きな進展を遂げているが、大型PLCの技術面においては、海外プレイヤーとの間にまだ大きな隔たりがあるからだ (中国における海外プレイヤーの市場シェアは90%以上、うち日本企業のシェアは18%程度)。大型PLC市場では、国内製品と海外製品では、パラメーターの差が顕著であり、最大I/O点数安全性の問題などのパラメーターにおいて、海外製品が国内製品より優れている。
 
  • 最大I/O点数が大きいほど、システム設計の拡張性柔軟性が高まり、より多くのデバイスへのアクセスと制御、システム統合の強化が可能になり、将来の拡張性を確保できる。幾らかの中国企業においては、大規模なオートメーションシステムへのニーズが高く、生産要件を満たすには大型PLC (I/O>2048) を必要としている。しかし、中国国内のサプライヤーは、その要件を満たすことができないため、中国企業は現段階では海外の大型PLCサプライヤーに頼るしかない。
 
  • 安全関連の機能については、多くの海外PLCメーカーが一般的に冗長化バックアップ技術を製品に取り入れ、信頼性の高いフォールトトレラントシステムを構築している。多くの中国企業は、突然の停電によるデータ損失によるコスト急増を懸念し、冗長化バックアップ機能を備えた海外PLCを採用することが多い。
 
図3. 国内PLCと海外PLCの比較
(国内製品と海外製品から、8つの側面からなる比較を実施した、より詳細な情報と分析については、
こちらのレポート【中国のVPP/EMS産業】をご参照ください)。
 
次に、VFDとは何か、なぜEMS業界の省エネに重要なのか?VFDにおける海外プレイヤーの優位性とは?
可変周波数ドライブ (VFD) は、直流電力を可変周波数の交流に変換する電子機器である。特に、必要な負荷に合わせてモーターの速度を調整することで、省エネを実現することで知られている。中低電圧VFDに比べ、高電圧VFDは、高電圧絶縁・分離技術、電子デバイスの選択、放熱設計、制御アルゴリズム、安全要件などの点で技術的障壁が高い。SchneiderやTMEiCといったヨーロッパや日本の企業は、出力効率や過負荷能力などのパラメーターにおいて優れている
 
図4. 国内高圧VFDと海外高圧VFDの比較
(国内製品と海外製品から、7つの側面からなる比較を実施した、より詳細な情報と分析については、
こちらのレポート【中国のVPP/EMS産業】をご参照ください)。
 
高電圧VFDは電圧が6kV以上のモーター制御に適し、出力電圧は一般的に2~11kVの間で、主に電力、鉱業、セメント、冶金、石油化学などの大規模重工業で使用されている。現時点では、海外製品が依然として市場全体の半分以上のシェアを占めており、SchneiderSiemensが市場シェアの約1/4を占めている。
図5. 2020年中国の高圧VFD市場
 
 
海外EMSサプライヤーは、国内製品がEMSバリューチェーンの市場を完全に支配する前に、より大きな市場シェアを確保すべきだろう。入換コストが高いため、一度導入すれば、海外サプライヤーの製品を長期で使用することが期待できる。例えば、SchneiderとSiemensは、20世紀末に中国市場に参入し、先発優位性と先進技術により、コントローラーとインバーターの分野で大きな市場シェアを握っている。
 
市場参入に適したビジネスモデル
技術的優位性を持つ海外EMSサプライヤーにとって、顧客に統合ソリューション (ハードウェア、ソフトウェア、EPC、日常的な運用・メンテナンスを含むフルサイクルサービス) を提供することは、顧客との関係を深め、より多くの利益を得るために理にかなった選択である。このような統合ソリューションでは、ソフトウェアと端末デバイスの互換性により、運用性能が向上し、O&Mがより容易になる。SchneiderやSiemenseは、統合EMSソリューションを提供することで、EMSにおいて中国の顧客と密接な関係を築いている。​
 
このような海外サプライヤーにとって、中国EMS市場参入を円滑に進めるのに適したビジネスモデルとして、Energy-saving Service Company (ESCO) が候補に上がる。ESCO事業者は、顧客に対し、事業計画、資金調達、ハードウェア・ソフトウェアの調達、EMSの設計・施工、日常的な運用・維持管理に至るまで、一貫したソリューションを提供する。
 
図6. EMC (エネルギー管理契約) の基本概念
 
ESCOの利点としては3点挙げられる:
1) ESCOが一般的に取るEMC (エネルギー管理契約)モデルでは、ESCO事業者が顧客のパフォーマンスリスクとファイナンシャルリスクを完全に保証または分担するため、新規顧客獲得のハードルが下がり、比較的容易に中国市場に参入し市場機会を得られることが考えられる。特に、資金力不足に悩む、中小企業顧客にとっては、ESCOが提供するEMCは魅力的な選択肢である。
 
  • ファイナンシャル・リスク:EMCモデルでは、シェアード・セイビング契約方式やエネルギーコスト・トラスティシップ契約方式において、ESCO事業者が省エネ対策のコスト (省エネ改修にかかる初期設備投資費用など) を負担する。
 
  • パフォーマンス・リスク:EMCモデルでは、省エネ効果を発揮できなかった場合の損失はESCO事業者が負担し、(その場合、ESCOによる設備投資費用が回収できない可能性がある。)概ね彼らが機器の運営を行うので、省エネパフォーマンスの成否において顧客は過剰に心配する必要はない。
 
図7. ESCOのサービスモデルであるEMCのタイプ
 
2019年、EMCモデル (パフォーマンス・ベース・モデル) は、各プロジェクトにおけるESCO事業のタイプ選択のなかで、シェアード・セイビング契約 (25%)、ギャランティード・セイビング契約 (20%)、エネルギーコスト・トラスティシップ契約 (8%) と、トータルで53%のシェアを持っており、中国のESCO事業において一般的な選択肢であると言えよう。2022年以降、中国政府においてはエネルギーコスト・トラスティシップ契約方式の推進が見られ、多くの公共機関で採用されている。ESCO事業者が、EMSのソフトウェアやハードウェアにおいて、技術的優位性を持っていれば、省エネのパフォーマンスリスクを抑えられるので、高い技術水準と総合的な事業能力を持つESCO事業者は、当然のことであるが、省エネ成果を上げれば安定した、さらには大きな利益収入を得ることができる。
 
2)ESCO事業者が、EMS分野の顧客と長期契約を締結することで、より多くの潜在的なビジネスチャンスを掴むことができる。例えば、マイクログリッド運用の分野に徐々に参入したり、デマンドレスポンスにおけるアグリゲーターの役割を担ったり、さらには仮想発電所 (VPP) のオペレーターとなることも可能である。前述したように、このような分野では、VFDやPLCなどのコンポーネントがキーとなる。
 
3)中国の「第14次5カ年計画」には、パフォーマンス・ベース・モデルとも呼ばれるEMC の市場化について言及されており、ESCO事業のEMCモデルが推進されている。つまり、政策的な観点から見ても、EMCは海外サプライヤーの中国進出を助ける実現可能な方法の一つと考えられる。例えば、国営企業である国家電網総合エネルギーサービス(State Grid IES)は、、無錫第一人民病院と綿陽中央病院とEMC契約を締結した。最初の3年間、同社は、無錫第一人民病院と持分10%で、省エネ効果を共有する。(2022年1月28日時点で約10万人民元の削減効果)。綿陽中央病院の事例では、省エネ効果を発揮できなかった場合 (エネルギー消費削減率が5%未満)、最大2%のサービス契約料を払い戻し、7%を超える部分の省エネ効果を顧客と共有するとされている。
 
ESCO事業のEMCモデルでは、ESCO事業者とその顧客がエネルギーコスト削減による利益をどのように共有できるかといった潜在的なリスクが残っているが、上述の理由から、海外EMSサプライヤーに推奨できるアプローチであると考えられる。そして現在、EMC契約ではないが (パフォーマンスやファイナンシャルのリスクを負わない)、EMSの運用サービスを提供する海外プレイヤーも出てきており、今後のEMCモデルにつながっていく可能性がある。その一例として、Schneiderが統合ソリューションを提供することで、中国でどのようにビジネスチャンスを獲得しているかを見てみよう。
 
シュナイダーの統合ソリューションの事例
Schneiderは、自社のEcoStruxure統合ソリューションをベースに、多くの中国企業と長期的な提携関係を築いている。ハードウェアとEMSソフトウェアを提供するほかに、同社は日常的な運用プロセスにおける省エネ・低コスト化・効率化コンサルティングサービスを提供している。同社は、祁連山セメントグループのEMSプロジェクト (FEMS)、復旦大学附属華山医院のスマート・エコホスピタル・プロジェクト (BEMS)、Cotte Yolanのスマート省エネプロジェクト (FEMS)、伊利集団のEMSプロジェクト (FEMS)、Swire Propertiesのサステイナブル商業ビルプロジェクト (BEMS) など、多くの中国プロジェクトにEcoStruxure統合ソリューションを導入している。同社は、こうした企業顧客のエネルギー効率の向上、エネルギー消費量の削減、全体的なコスト削減に取り組んでいる。
 
統合ソリューションプロバイダーの例として祁連山セメントグループとのEMSプロジェクトを見ていこう。
技術的優位性 (EcoStruxure EMS/APC、Modicon PLC、Altivar ATV VFDなど) の恩恵を受け、Schneiderは祁連山セメントEMSプロジェクトにおいて、エネルギーマネジメント業務を順調に遂行している。同社の統合ソリューションにより、祁連山セメントは、年間最大5%のエネルギー消費量を削減し、2019年の電気料金を453.6万人民元削減することができた。
 
プロジェクト背景:近年、低水準な自動化とデジタル化に起因し、祁連山セメントの製造コストは高止まりしていた。そんな中、環境保全政策が厳しさを増し、企業の省エネや排出削減に対するより厳しい要件が求められていた。そのため、祁連山セメントは、EMSを通じてエネルギー消費のさらなる削減、コスト削減、生産最適化、企業コア・コンピタンスの向上を望むようになる。
 
図8. 祁連山セメントEMSの仕組み
 
Schneiderはまず、祁連山セメントEMSプロジェクトの設計に携わり、EcoStruxure EMSでリアルタイムのエネルギー消費量をモニタリングすると同時に、エネルギー消費に関連する機器の稼働状況を担当者に通知し、セメント製造プロセスにおける省エネ可能なエリアを特定する。一方、EcoStruxure APCを活用し、セメントキルン、ミル、予熱器などの設備の最適稼働を実現する。そして、EMSにかかわる省エネ設備を設置する際には、同社は実地調査の結果に基づき、Altivar ATV VFD、Modicon PLC、EcoStruxure EMSソフトウェアなどの主力製品を、祁連山セメントのエネルギー消費と製造プロセスの管理に取り入れることを決定した。
 
Schneiderは、この祁連山セメントEMSプロジェクトのオペレーターでもある。同社は、セメント業界での経験と豊富なエネルギーマネジメントノウハウを活かし、祁連山セメントにエネルギーシステム評価と製造プロセス最適化、エネルギー消費機器診断、エネルギー消費データ分析、試運転およびメンテナンス、予備部品供給、オンライン&リモート技術研修などの統合サービスを提供している。日常的な運用とコンサルティングサービスは、祁連山セメントの省エネと排出量削減の目標達成につながっている。(プロジェクトの詳細情報については、レポート中国のVPP/EMS市場】をご参照ください。)
 
以上が、Schneiderの統合ソリューションの一例であり、ESCO市場が成熟するにつれ、Schneiderのような海外プレイヤーがEMCモデルを採択していくことは十分に考えられよう。そして、それが、将来的にはVPP運用ビジネスのチャンスにもつながっていくだろうと考える。このように、中国のEMS産業においては、ハードウェア機器の優位性から、より大きなビジネスチャンスに繋がる可能性を秘めている。(ESCO事業については、こちらのレポートもご参照ください。【2021年中国のエネルギーマネジメントシステム(EMS)市場の動向】
 
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