調査実績
  • 中国のグリーン電力パイロット交易プログラムが中国電力取引市場にもたらす変化とは
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    1.2021年9月に、国家発展改革委員会によって、再生可能エネルギーの開発をさらに促進し、炭素排出量を削減するために、中国のグリーン電力パイロット交易プログラムは立ち上げられた。


    2. 従来の中長期的な取引方式では、1)グリーン電力調達のためだけの具体的なプログラムが存在しないこと、2)ダブルカウンティングにつながる可能性があることから、多くの企業消費者がグリーン電力の購入に対し、困難に直面していた。


    3. パイロット取引の開始に伴い、グリーン電力調達のアクセシビリティを高めるために、再エネ発電事業者と企業消費者の間に特定のプログラムが導入された。 また、従来の中長期取引方式で発生していたダブルカウンティングのリスクを回避するため、「バンドル(電力+属性証明書)証書」が導入された。


    4. ただし、特に企業の消費者の観点からは、まだ克服する必要のある多くの課題が残っている。 これらの課題には、ダブルクレーミングの問題や、卸売市場で省を越えてグリーン電力を調達する際の規制上の障壁などが挙げられる。


  • 中国、電力価格の上限を引き上げ:変更点と業界への影響
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    まとめ
    1. 石炭火力発電の電力価格は、ベンチマーク価格に対して、これまでの上限±10%から、±20%までの変動することが認められた。実際には、多くの省で最高値の上限価格まで、電力価格が急騰している。 


    2. 高電力消費事業者の電力コストは、20%上限の制約を受けない。遼寧省と広西省では、高電力消費事業者に対する電力コストが50%近く上昇している。   


    3. 石炭火力発電事業者の経営難は一時的に緩和されるが、将来的には市場競争の激化に直面することとなるだろう。


    4. 市場改革により、特に需要家サイドで新しいビジネスが次々と生まれてくることが考えられる。その中で、ビッグデータは重要な役割を担ってくる


  • 中国電力業界におけるデマンドレスポンスの活用状況とビジネスシナリオ
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    まとめ
    1. カーボンニュートラルの実現と持続可能なグリーン経済の発展を目指し、中国は、再生可能エネルギーによる発電を増やし、電力産業の市場化をさらに進めていくことになる。このような背景のもと、政府は、これまでの化石資源を大量に利用するのではなく、需要サイドのエネルギーリソースを制御することに目を向けている。デマンドサイドマネジメント(DSM:Demand Side Management)の有効な手段として、デマンドレスポンス(DR:Demand Response)が全国、特に一級都市で、実施されている。


    2. デマンドレスポンス(DR)は、他のデマンドサイドマネジメントの行政施策とは異なり、負荷リソースなどにおいてより柔軟である。V2G対応電気自動車(EV)や充電パイル、仮想発電所(VPP:バーチャルパワープラント)、蓄電システムなど多様なリソースを対象とするだけでなく、電力市場を活用し、電力需要家がデマンドレスポンスの節電活動に参加して収入が得られるように構築されつつある。(下記の河北省のプロジェクト例参照)


    3. 負荷リソースを束ねて制御する主体として、アグリゲーターという事業者が生まれ、よりよく、デマンドレスポンス(DR)を提供する。これが様々な負荷リソースと電力供給者のビジネスチャンスにつながる。


  • 中国の再生可能エネルギー:洋上風力発電が本格始動、その行方は?
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    まとめ
    1.中国における再生可能エネルギーにおける供給と需要の地理的ミスマッチは、沿岸地域のカーボンニュートラル化の進展を懸念させるが、洋上風力発電はその解決策のひとつとなり得る。
    2.2021年の洋上風力発電の急拡大は、国の補助金の取り消しによる駆け込みによるところが大きかったが、補助金の取り消しにもかかわらず洋上風力発電の成長が堅調に伸び続ける理由はいくつかあり、政策シグナルと海上の豊富な洋上風力発電における潜在資源が大きな理由に当たる。
    3.ただし、課題も存在する、コストが主な障壁であることに変わりはない。建設用船舶のレンタルや海底電力ケーブルの敷設にかかる建設コストの高騰、運用・メンテナンスコストの高騰は短期的には継続すると思われる。
    4.しかし、課題の裏側には大きなチャンスがある。浮体式洋上風力発電のような新しい技術や、洋上風力発電と石油採掘や水素製造とのシナジー効果が注視される。