調査実績
  • 中国、グリーンスチールへの道:各製法における機会
    WechatIMG10756

    まとめ
    1. CBAMや米国・EU間のグローバルアレンジメントなどの国際政策は、中国の鉄鋼輸出ビジネスの低炭素化を一層加速させる可能性が高く、現時点では即時の影響は小さいものの、鉄鋼輸出業者は長期的な影響を十分注視する必要がある。
    2. 中国の鉄鋼メーカーには、脱炭素において、主に3つの選択肢がある。その中で、EAF方式が最も早く導入されるだろう。EAF方式による製鉄の比率は、2025年までに15%、2030年までに20%を超えると予想される。水素還元法や水素DRI法はその後に、実用化され大きな可能性を秘めている。
    3. 中国には築年数の浅い高炉が多く、短期的に水素DRIやEAF方式に移行することは経済的ではない。そのため、CCUS、バイオマス、水素還元法などの新技術にも可能性がある。
    4. 中国は石炭資源が豊富だが天然ガス資源は不足しているため、水素還元法や水素DRIに注入するガスとして、コークス炉ガスが主に使われている。これによりコストは下げることができるが、排出削減効果はあまり期待できない。将来的には、グリーン水素が使用され、それに伴い分散型発電装置、水電解などのビジネスチャンスが生まれることが期待される。


  • VPP(バーチャル・パワー・プラント):中国エネルギー市場での発展
    top

    まとめ
    1. 中国のVPPの構築は、現在、主に招待モードで行われており、その観点から世界の先進エネルギー市場に遅れをとっていると言えるものの、中国のVPP市場規模は、2025年に300億人民元を超えると予想されている。
    2. 負荷変調市場は、特に華中、華西、華北地域において、屋上設置型太陽光発電のような分散型発電措置を含む、様々なエネルギーリソースを変調する能力をもつ、VPPプレイヤーにとってより好機となる。国家デモプロジェクトでは、2020年から2021年のVPPステークホルダーにおける平均利益は0.18人民元/kWhであった。この数字は、AS市場(補助サービス市場)の市場化が進むにつれて増加していくと考えられる。
    3. 周波数変調市場は、例えば華南地域で蓄電システム (ESS) を所有するなど、効率的な周波数制御能力を持つVPPプレイヤーにとって見込みのあるビジネスとなりうる。南方電網は、2022年の周波数変調市場規模を11億1000万人民元と発表した。
    4. 新興のスポット市場は、発電量、消費量、市場価格の優れた予測能力を持つVPPに収益性の高いビジネスチャンスをもたらすだろう。広東省、山東省、山西省、内モンゴル自治区、甘粛省のスポット市場では、0.195人民元/kWhから0.548人民元/kWhの価格差があり、アービトレージを通し、VPPが利益を生む余地がある。


  • 中国での気候関連情報開示-CDPと中国炭素排出権制度のスコープ1、2、 3における排出量報告基準を徹底比較
    Top

    まとめ
    まとめ
    1. スコープ1排出量の算定・報告:CDPが求める排出量の情報開示の内訳は、中国の全国炭素排出権取引制度(ETS)ほどは、細かいレベルではない。よって、CDP用に収集された排出量データは、中国の全国ETS報告の参考にはなるものの、そのまま転用することはできない。
    2. スコープ2排出量の算定・報告:CDPでは、ロケーション基準とマーケット基準の2つの算定方法が認められている。一方で、中国の全国ETSでは、マーケット基準手法はまだ認められておらず、スコップ2の排出量の算定には、グリーン電力PPAやエネルギー属性証書 (GEC)など、契約上の取り決めを一切考慮しない「ロケーション基準手法」のみが用いられる。したがって、該当するグリッドの排出係数が変わらない限り、排出事業者が全国ETSにおいてロケーション基準の排出量を削減する方法は、総エネルギー使用量を減らすか、屋上太陽光発電の導入などオンサイトの再エネ発電を増やすことに限られる。
    3. スコープ3排出量の算定・報告:CDPに参加する企業は、スコープ3の排出量を報告する必要はあるものの、スコープ3の主な評価は、脱炭素化に向けたバリューチェーン内の取引先との取り組みにあるため、スコープ1や2に比べ、スコープ3の報告内容の詳細さやデータの正確性はあまり要求されでいない。中国の全国ETSでは、スコープ3の報告は義務付けられていない。


  • 世界市場をリードする中国の洋上風力タービンメーカー: 世界にとって何を意味するのか?
    1a3a6061ce80412c001a7faec833073f

    まとめ
    1. 中国は洋上風力セクターにおいて主導的地位を確保し、近年は着実に成長している。この持続的な成長は、2021年に中国の風力発電に対する「固定価格買取制度」という優遇制度が打ち切られた後も続いており、補助金依存から市場志向への転換を意味している。
    2. 業界の競争激化に応え、継続的なタービン大型化や川上の主要コンポーネントの現地生産化など、コスト削減の実現に向けた多様な技術動向が現れている。
    3. 予測によれば、この業界は今後数年で飛躍的な成長を遂げ、最終的には経済的に存続可能な状態になる。中国タービンOEMにとって、海外市場への進出は期待できる、MingyangやGoldwindのような業界リーダーが既に道を切り開いている。
    4. 中国の洋上風力タービンの輸入に関する保護主義的な姿勢に起因する懸念があるにもかかわらず、中国が洋上風力セクターにおいてより大きな存在感を確立することは徐々に明らかになっている。この傾向は、欧米市場、特に欧州と北米における需要と供給の不均衡が予見されることで、より鮮明になっている。